Re;volver
星と野良犬
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「ああ、すまない、話し込んでしまって。部屋に備え付けのシャワールームとトイレはあるから、とりあえずここだけで事足りると思うけど」
「え……そこまで充実してんの?」
ああだこうだ云いながらスザクの部屋のインテリアを考えてくれていたルルーシュがはッと気付いたように時計を見上げて(それはレトロな雰囲気の部屋からすると余程シンプルな、けれど見やすい現代風の掛け時計だった)、スザクに申し訳なさそうに告げるのを、スザクも何処か夢から覚めたような気分で聞いて顔を上げた。
「いや、だがユニットバスですらなくて、あくまでもただのシャワーブースだから……バスタブはなくて申し訳ない」
「……いや、謝るところじゃねーし、そこ」
スザクがそう云ってもルルーシュの表情は変わらず、でも、とすまなさそうにスザクを上目遣いで見遣る。
その視線はずるいだろ、と何に対してか判らないまま思いつつ、決して口にはしない。
するとルルーシュは、「でも、」ととんでもないフォローを入れてきた。
「でもその代わり、大浴場があるんだ」
「そんなのあんの!?」
ブリタニアって、シャワーだけで済ますものじゃないのか。むしろ、入浴するという習慣自体、日本くらいじゃないかと思っていたのだが。
「うん。僕の趣味だけど、母とナナリーにも評判が良くて。さすがに男湯と女湯で分かれたりはしてないから、今日は、女性陣に独占されてしまっているな。ユフィも居るし長いだろうから、今日はここのシャワーで我慢してくれるか?」
「いや、もちろん。全然良いって……」
「でも……移動や初めての場所なんかで疲れてるだろうし、湯船に浸かってゆっくりしたいだろう?」
「え、あー……あると思ってなかったからなぁ、別に気にしないぜ。シャワーでさっぱりできるってだけでも違うよ。むしろ、ゆっくり風呂入ったりしたら余計疲れそうだし」
大浴場という響きにはすこし気持ちは惹かれながらも、ルルーシュにこそ気を遣うなという意味を含めてスザクはそう弁明した。もちろん、それはそれで本心なのだし。
スザクなりの気遣いに気付いたのか、単に根負けしたのか、ルルーシュが大人しく頷く。
「そうか……じゃあ明日は、枢木が使えるように宣言しておくよ。ユフィが居なければ、さすがに母とナナリーもそう長湯するわけじゃないし。順番に使おう」
「お、おう」
この離宮の広さからして、"大"浴場と云うからには、ほんとうに広そうで正直なところ愉しみだ。スザクは風呂はもともと好きな方だし、汗を流しながら鍛錬をし、藤堂の道場で思いっきり暴れたあとに飛び込む湯船は格別だと思う。枢木の家の檜風呂を思い浮かべて、その香りの記憶が蘇り、ほんのすこしだけ胸が軋んだ。
そんな、いまはどうでも良くなってしまったことを思い出す自分のこころに対しても、そしてそんなわずかな表情の変化にさえ敏感に眉を顰めたルルーシュに対しても、スザクは上手く誤摩化せるように、このアリエスにあるという風呂に期待を馳せることだけを考えるようにする。
ルルーシュが「ゆっくり浸かって」と云うくらいだから、湯船もきっと広いんだろう。今日だって、子供二人とは云え女性陣三人で一緒に入れるくらいなのだから。
そうだとすれば、それだけ広い風呂なら……
「もちろん、ルルーシュも一緒に入るんだよな?」
「え?」
「大浴場って、どれくらいか知らねーけど……広いんだろ? そんなところ、俺一人で使えねぇよ」
「いや、でも……」
「なんだよ、厭なのか? 趣味だって云ってたから、風呂好きかと思ったのに」
憮然とするスザクに、ルルーシュは言葉を選ぶそぶりを見せながら、ぽつりぽつりと答える。
「それは、まぁ……僕の我が侭で造った風呂だが……。君はひとりの方が、のんびり羽を伸ばせるし、良いんじゃ……ないの、か?」
「そんなことねーよ。大体、大浴場なんて皆で入るもんだろ。今日だって、マリアンヌさんたちはそうしてるんだし」
食い下がるスザクに、どこか諦めた様子のルルーシュが判った、と頷く。その様子に安心しながら、スザクは必死で心の中で云い訳をしていた。
(いや……うん。そんな豪華そうな風呂、ひとりで入ったって虚しいだろうなと思っただけなんだ、俺は。その相手がどうしてもルルーシュじゃなきゃ厭だってわけじゃねーし。そうだよ、ルルーシュ居てくれた方が、シャワーの使い方とか、すぐ聞けて楽そうだなと思っただけだし!)
スザクの葛藤など知らぬルルーシュは、切り替え早くスザクに背を向けるととことこと部屋の入口近くにあったドアに向かい、中を開けていろいろ確認しているようだった。
「……うん、大丈夫そうだな。シャンプーやボディーソープ、歯磨きなんかの洗面用具はひととおり揃ってるみたいだな、良かった。タオルも充分あるし、あとは……着替えか。急がせたから明日には届くと思うが……」
ぼそぼそと呟いているルルーシュに、スザクもようやく我に返って声を掛ける。
「……あ、なんかいろいろ悪い」
「いいや、むしろ明日までは不便をかけそうですまない」
「いやいや、ホントに。こちらこそ……」
いくら気を遣うなと云われても、さすがにこういう生活面に関しては謙るしかない。金もなくほとんど身ひとつでお世話になる身なのだし。
「…あ、」
そうだ、と何かを思いついた様子のスザクに、ルルーシュも謝るような体勢で下げていた頭を上げる。
「うん? どうかしたか、枢木」
「いや、俺、こっち来るときボストンバッグ持ってきてて……そう云えば、空港で荷物受け取る間もなく連れられてきちゃったな……しまった」
日本で見送られたとき……と云っても、その顔ぶれは父の付き人だけだったが……彼らには、飛行機に乗る際のマナーや必要な手続きについていろいろレクチャーを受けたのだが、実際は入国審査も何も無く、飛行機を降りた時点で待ち受けていた皇宮の人間に、そのまま、なんだか特別そうなゲートを通って連れられて来てしまったのだ。話では、飛行機を降りて入国審査を受けてから、荷物受け取りの場所に行き、税関を通った後の出口に迎えが居るだろうと云われていたのだが。
私物のほとんどを日本を発つ前から捨てられてしまったスザクであるから、そう大きな荷物ではないが。数泊くらいの旅行ができる程度の荷物は、一応準備しておいたのだ。
数日の乗り切られるだけのなけなしの量の衣服に、使い慣れた、スポーツでお馴染みのブランドのボストンバッグ。
あれは、どうなったのだろう。
ぽつんと取り残されたまま、空港の荷物受け取りのレーンをぐるぐると回っている様子を思いうかべて、スザクは嘆息した。
それを見たルルーシュが、どこか不機嫌そうに声を低くする。
「……どこの部署が迎えに行ったかは確認していないが……奴らは横暴だっただろう。すまない。君の気分を害するようなことを、していないと良いんだが……」
「へ?」
何処かお門違いのような謝罪を述べるルルーシュに、スザクは一瞬前まで考えていた、荷物のことを忘れていた焦りなど吹っ飛ばして、いやいやと首を振った。
「急だったから混乱してたのもあるけど……別に、そんなことはねーよ。むしろ、ほとんど俺には興味なさそうな感じだったから」
スザクの云い分に、ルルーシュは更に眉を顰める。
「それが悪いと云っているんだ。これは、情けなくてあまり云いたくはないことだが……、この国の、特に皇帝派の奴らはブリタニア選民意識が異様に高い。きっと、外国人である君と、接触したくもないという感じだったのだろう。奴らは下手に階級が高かったりする所為でプライドも高いし、子供相手に賓客扱いすることさえうっとうしがる有り様だし……だから……いまは謝ることしかできないが、すまない」
ぎゅっと身体の横で拳を握りしめたルルーシュの云いたいことは難しい内容ではあったが、スザクには良く判った。
ブリタニアが他の国の民族を嫌っていることは周知の事実だし、実際に今日対面した彼らも、事務的に振る舞うだけで心の中ではスザクを莫迦にしている様子は透けて見えた。それは、こども相手というだけではなく。
だがスザクも、ブリタニアに来る前まではブリタニア人のことを手当たり次第ブリキと呼んで蔑んでいた。たが今日会った彼らはわずかに態度にそんな心理を滲ませるだけで、あくまでもスザクに対し客という扱いはしていたと思うし、だからスザクは(ブリキが、偉そうに)と、心の底で文句をつけるだけで済んでいた。
皇宮に着いてから対面した奴らも似たような感じで、そこを出てから、ユーフェミアから始まり、アリエスの住民……ルルーシュに会うまでは、口にこそ出さないまでも、やっぱりここは偉そうなブリキばかりだと思っていたけれど。正にブリタニアを象徴するはずの皇族にこそ、偉そうなブリキだと文句を付けることができなくなってしまった。
だからスザクは、気にするな、とただ首を振った。
ルルーシュはたまに偉そうな口調になるけれど、それで多少ムッとしても、気分を害した、というほどのことはない。だからルルーシュが謝ることではないと云おうとしたのだが、けれどルルーシュはそういう奴らの上に立つ、皇族なのだ。何かしらの責任があるのかも知れないことを思えば、ただの友達みたいに、お前が気にすることじゃねーよ! と、軽く肩を叩くこともできない。
そして、それを思えば……スザクも、何も聞かされていないとしても一応日本の名を背負って来ているのだから、下手に謙りすぎるのも良くないのだろう。それでルルーシュがどうこうするとは思えないにしても……それでも、何処に目と耳があるのか判らない。スザクを陥れようとする皇族だって、今のルルーシュたちが特殊なだけで他にはいっぱい居るんだろうと思うし、日本からスパイとして入り込み、スザクの動向を探っている者だって居るかも知れない。
だからスザクが遠慮し過ぎて、どんなにブリタニア人に莫迦にされても、良いんですよと謙虚に返して。
それで、日本人全体がそうなのだと思われても、困る。
けれど今日会ったばかりなのに、ルルーシュやユーフェミア、ナナリーは良い子たちだと思うから、スザク個人として接したいだなどと思ってしまって……どうしたら良いのか、何が正解なのか判らない。だってスザクは、ほんとうに何も知らない。
スザクは自分が口下手だと思うし、更にそれをブリタニア語で話すとなると、ちゃんと伝えきれる自信がまったくなかったから、せめて態度で伝わると良いなと思った。そしてルルーシュは、そういう言葉にできないものをちゃんと読み取ってくれるだろうという自信が、何故だかあったから。そう信じて、態度を示した。……やっぱり、ルルーシュの人を安心させる微笑みを思い浮かべながら。
期待通り、ルルーシュはそれで納得してくれたようで、ちょうどスザクが思い浮べていた微笑みに近い表情で、よかった、と呟いてくれた。それから、ふむ、と何か思案するように拳のように丸めた手を口の前に翳し、斜め上の方に視線を投げる。
「でも、荷物に関しては、そう云えばちらっと聞いた気がするな。ちょっと聞いてみる」
「え、」
「この入口近く、ああ此処に、」
ルルーシュが、入ってきたドアの方に近付きながら、ある一カ所を指差す。
「内線用の電話があるんだ。ホテルにあるようなものだと思えば良い。使用人にも、僕や母の部屋にも短縮で繋がる。番号は、後で一覧を横に貼っておこう」
「へぇ……」
これだけ広い宮殿なのだから、当然と云えば当然なのかも知れない。けれどそういう場所に実際に住んで、この映画にでも出てきそうな宮殿が『家』なんだから、マジで皇子様なんだよなぁ、コイツ……と、今更変な感慨が湧いた。
ルルーシュはスザクに軽く使い方の説明をしながら使用人の部屋の番号にかけると、ひとことふたこと話して、受話器を置いた。
「―――やっぱり、多分君のものだと思われる荷物は届いているそうだよ。いまこっちに持ってくるように云ったから、ちょっと待っててくれ。……荷物も手元にないだなんて、本当に心細いような心地がするよな。気が効かずに、悪かった」
また謝った、とスザクは気になったが、先程からすればそれはごくごく軽いトーンになっていたので、流すことにした。
「いや、俺も、目紛しくてすっかり忘れてたから」
「そうか、ならちゃんと手元に戻ってきたようで良かった」
「ああ、うん。ちょっと焦ったよ」
「勝手に連れられてきたんだから、仕方ないさ。それで、その荷物って云うのは……着替えとか、か?」
「うん、そう。いくつか着替えとか、洗面用具とか……そんなもんが入ってる」
「……それだけか?」
ルルーシュが怪訝そうにそう尋ねてきて、なんとなくそれがどういう意味なのか判ってしまったスザクは、あくまでも恍けて首を傾げた。
「ああ、うん。なんで?」
「いや、何でも……。じゃあ、着替えに関しては、とりあえずいますぐには手配しなくても良さそうだな?」
「うん、平気だ。下着と、パジャマと、しあさってくらいまでの服は余裕で」
それなら良いんだ、とルルーシュが頷くのと同時に、コンコンとノックの音が響く。ドアが分厚い所為なのか、ここに近付いて来る足音は聞こえなかった。だが、それもまだ、緊張して気が回らない所為なのか……と、武道を嗜み気配には敏感になっているはずのスザクが、ひっそりと表情を歪める。
ルルーシュはノックの音に反応し、そんな表情のスザクをちょうど見ることなく、ドアに駆け寄って行った。スザクに感じ取ることはできなかったが……ルルーシュが警戒心のない様子だったので、平気なのだろう、きっと。
咄嗟に昼のルルーシュとナナリーの会話で出て来た、誘拐という単語を思い出してしまったが、スザクのそれは杞憂に終わったようだ。ルルーシュが開けたドアから顔を覗かせたのは、スザクとユーフェミアがこの離宮を訪れたとき、出迎えてくれた使用人(?)だった。
青いような、不思議な髪の色をした背の高い美丈夫だったので、良く覚えている。
「ルルーシュ様、仰っていたものをお持ちしました」
「ああ、ありがとう。枢木、云っていた荷物というのは、これで良いのかな?」
ルルーシュが台詞の途中でスザクに振り返って示されたバッグが、とても良く見慣れたものだったので、何だか知らないがどっと安心したようなほっとした気持ちがあふれてきて、スザクは微笑んでそうだと答えた。
「良かった……べつに、すごい大事なものとかが入ってるわけじゃないけど……空港に置き去りかと思ったら、ちょっとショックだった。ありがとう、ございます」
台詞のほとんどをルルーシュに向けて、けれど最後の御礼でだけ持ってきてくれた人の存在を思い出し向き直り、敬語を付け足す。
「いいえ、私の仕事でありますから。御礼の言葉などは必要ありません。――ルルーシュ様、」
「うん、判ってる……大丈夫、気にするな」
形式的な型ばった表情でスザクを見下ろしていた使用人は、しかしルルーシュに向き直ると表情をあからさまに和らげた。と云っても、難しいことを考えているような表情のままではあるのだが……目尻が、どことなく和らいだ気がする。
この人も、また同じように日本人であるスザクを蔑むのかと一瞬思ったのだが、すぐに違うと気が付いた。
違う、これは……スザクのことなんてどうでも良いくらい、ルルーシュへの深い愛情と信頼があるだけだ。
ふたりはスザクには判らない何らかの遣り取りをしたあと、スザクに向き直った。くるりと振り返ったルルーシュと目が合って、思わず息が止まってしまう。
「枢木、彼はこのアリエスの近衛隊長で、ジェレミアと云う。来たときに会ったそうだな」
「改めまして、ご紹介に預かりました、ジェレミア・ゴットバルトと申します。よろしくお願い致します」
ルルーシュからで促しながら紹介され、ジェレミアが綺麗に敬礼をした。
ぴしりと背筋を伸ばしたその姿勢に、スザクもつられたように佇まいを直し、やはりつい癖でお辞儀をしてしまう。こちらこそよろしくお願いしますと返してから、ルルーシュに疑問符を飛ばす。
「このえ…?、って?」
「親衛隊とも云うな。要は、ここの警衛を司っていると思えば良い。執事やフットマンの真似事もしているし、アリエスで暮らす以上は世話になることも多いと思うから、覚えておいてくれ」
「あ、うん……判った。ゴットバルトさん、ですね」
ルルーシュの説明通り、彼は荷物をスザクに引き渡したあと一緒に転がして来たらしいカートをそのまま部屋に運び入れ、お茶を淹れ出した。どうやら、この部屋にお茶のセットなど置くようなテーブルがない所為らしい。
その様子を何とはなしに見ながら、ルルーシュが唐突に口に出す。
「通称はオレンジ君だ」
「え?」
ルルーシュが少々愉しそうにそんなことを云い出すので、呆気に取られてしまった。
「お、オレンジ?」
なんで? と見上げた先の瞳は、確かにオレンジのような色をしていたので、もしやその所為だろうか……とスザクが考えていたところで、当のジェレミアが口を開く。
「ルルーシュ様がわたくしめにご命名くださいました。いわばこれは忠誠の証。どうぞ枢木様も、そう呼んでいただいて構いません」
「は、はぁ……」
本人は真面目至極と云ったところだ。何がどう忠誠に繋がるのかまったく謎だし、ルルーシュも可笑しそうに笑って眺めているだけで、フォローをしてくれる様子もない。
「それでは、しかとお届けしましたので。私は、これで失礼致します」
「ああ、ご苦労」
スザクが軽く混乱しているうちに、ジェレミアは颯爽と部屋を去って行ってしまった。
だがその遣り取りを見て、スザクは更に混乱を来す。
ルルーシュが、本当に人の上に立つ皇族なのだと実感したからだ。
ジェレミアと対峙するルルーシュは、言葉遣いも態度も、スザクや家族に対するものとは全く違っていたし、対するジェレミアも、年齢的にはこどもと云えるルルーシュにしっかりと敬意を払っているように見えた。
スザクと年の変わらないこどもを、目上として扱う大人。
その状況は不自然のはずなのに、実際のルルーシュとジェレミアのふたりの雰囲気はとても自然に見えた。まるで、その立ち位置が最初から決まっているみたいな。
それに、ルルーシュは……敢えて言葉にするなら、偉そう≠ニ云える態度だったのだが、それはとても堂に入っていて、むしろそれが本来ルルーシュのあるべきの姿なのではないかと、錯覚してしまうくらいだった。
けれどもちろんルルーシュはルルーシュだったので、偉そうと云える中にもきちんとジェレミアへの信頼を返しているのが判ったので、暴君というわけではなさそうだ。だからこそ、ジェレミアもあんなに敬意を払うのかも知れないが。
ほんのわずか見ただけでもふたりの親密さが良く判って、スザクの胸はちくんと傷んだ。
それがどういう意味なのかまでは、このときのスザクには、知る由もなかったけれど。