俺がこの手に掴めるものなんて、きっと、この視界を舞う一枚の花弁くらいのものだろう。
白く霞ゆく世界を彩る花片がひとつ、傍観者に奪われたくらいでは、世界は歩みを止めたりしない。
……そう、俺が何をしたところで、日々は滞りなく、艶やかに、過ぎ去ってゆくのだ。
*
*
*
*
*
*