午前0時、空中庭園にて





やぁ、待っていたよ



開口一番に、そう男は云った。オプションとして、無駄に爽やかな微笑み付きで。
5メートルという、中途半端な距離を挟んだ先。キラキラと擬態語の聴こえそうなほど耀いている人物を前に、アスランはそれまで動かしつづけていた足を止めた。
彼が何者なのかは判っていた。同時に、何故彼がここに、なんのために居るのかも。

それを踏まえた上で、まず始めに思ったことと云えば。


(……我ながら、趣味が悪い)