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小説ページにあります、『我楽多ロジック』(地味同士のスザルル高校生パラレル)の続きです。

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我楽多ロジック 08
~ Ga-Raku-Ta Logic ~



***



「……それにしても、確かに元々話をしてみれば大人しいってわけじゃなかったけど。でもそれでも、いまよりは物静かだったよね。顔を隠すのはともかく、何もあそこまで大人しいふりをしなくても良いんじゃない?」


って云うか、むしろ暗かったけど。だからこそ目を付けられてつけ込まれるんだ、と思うけれど。
いっそスザクが懸念していた通り、怪我のあとがあるからとか適当な理由をつけて、普通に話していれば問題はなかったんじゃないだろうか、と提案しようかと思うが。


「……やるならとことん徹底するのがポリシーだ。それに……」
「それに?」
「顔がどうとか云うことだけじゃなくて。―――目立つのは、嫌いなんだ」
「……ふうん……」


結局目立ってるじゃん、とは突っ込まないであげるのが優しさだろうか。優しさの種類はどうであれ、他人に優しくしようだなんて、滅多にない思考に我ながらぞわりとしてしまってそれは結局声にはならなかったけれど。


「枢木も、そうじゃないのか?」
「え?」
「目立ちたくないんじゃないのか?」
「あ、ああ……まぁ、そうなんだけどさ」
「いや、詮索する気はないんだが!」


ブンブンと慌てたように手を振った彼に、何だか苦笑してしまう。むしろスザクのほうが既にかなり詮索してしまっているし。さきほど枢木は詮索しないから良いと云われたばかりなのに、この場で尋問するような真似をしたから、そのせいで失望されたりしていないだろうかと気になってしまっているくらいなのに。
お詫びと云うわけではないが、ランペルージがちゃんと話してくれたので、スザクもちゃんと話をしよう、という気になった。


「良いよ、気にしないで。事情ってほどのものじゃないんだ」
「そう…なのか?」
「うん、まぁ……さっきので判ったかもしれないけど、僕、中学までは云ってみれば不良みたいなもんでさ」
「ああ、さっき暴れてたアレか」
「暴れ……まぁ、うん。売られた喧嘩を買ってただけで、警察沙汰になるような問題起こしたわけじゃないんだけど、地元は田舎だからかなり目立っちゃっててさ。いろいろ、やりにくかったから。地元を出て遠くの高校まで来たし、入学を期に大人しくなろうかなって。親からもそう云われたし。それだけ」


ふうん、とランペルージが頷く。反応からして判ってはいたけれど、引いたりされないというだけで異様なくらいほっとする自分が確かにいることをスザクは自覚していた。


「じゃあ、いつものあれは演技なのか。今も?」
「最初はそうだったけど、最近は地になって来てるよ。今も、取り繕ってるわけじゃない。元々派手な性格ってわけじゃないんだ。ちっちゃいころから鍛えてたぶん力があるから、調子にのって粋がっちゃってたんだよね」


そんな自己評価なんていままでしたことがなかったけれど。
ガキ大将だったあのころを冷静に振り返ると、今考えついた内容なのにそれがしっくりくるような気がする。


「でも……だいぶ印象が違った」
「さっきのこと? ああそう云えば、あいつらはった倒したすぐ後は興奮してたからか戻ってたね」


このキャラが地になってきてると云ってしまったし、それは本当にそう思っているのだが。戻ったということは、やっぱり自分の本質はそっちなのだろうかと、良く判らなくなってしまう。今までそんなこと、考えたこともなかったのに。ランペルージと話していると、自分と向き合うことが多くなった、そんな気がする。
スザクが悶々と考えこんでいると、ランペルージが神妙に頷いた。


「そう。そうだった」
「……怖かった?」
「いや。――――――った」
「え?」
「い、いや! なんでもない、なんでもないんだ!」
「ふうん…?」


ランペルージは必死になったせいなのか、頬を染めかけている。ブリタニア人にしたって白すぎるんじゃないかという肌にそのオプションは、とても倒錯的だ。


「そ、それで、今日はどうかしたのか?」


何か云いたそうだったことを誤摩化されたのは気になるが、必死に話を逸らそうとしているランペルージの表情を見ていたらなんとなく乗ってあげようか、という気になった。
彼は髪という仮面の下で、こんなにも表情豊かだったのか。口元だけ見ていたころも、意外に笑ったりする奴だなとは思っていたけれど。


「ああ、テスト勉強に身が入らなくて。なんかぱーっと気晴らししたくなっちゃってさ、適当に出掛けようかなって。寮でも部屋以外ではずっと眼鏡かけて大人しくしてるんだけど、思ったよりストレス溜まっちゃってたみたい」
「……なるほど」
「ランペルージは? 君も息抜き?」
「いや、テストのことは気にしていなかったし、単純に買いたいものがあるから出て来ただけだ」
「……堂々と云いきれるってすごいな」
「? 何がだ? ああ、外見のことを云ってるなら、俺は休みの日はいつもこうだ。眼鏡は邪魔だからともかく、さっきみたいなことがあるから髪はおろしておきたいんだが。あの学園仕様は、妹が厭がるんだ。整形すると決めたときもそれはもう声を大にして止められて懇々と説教されてしまったから、その辺りは兄として情けないが云うことを聞くことにしている」


そりゃそうだろうなとスザクはこっそりと思った。妹さんも大変だな、と。眼鏡は邪魔なのに髪はそうじゃないのか、と突っ込みどころもあったけれど、それ以上に。しかもランペルージ自身は何が不満なのだろうかと頸を傾げているが、下手にフォローすることは止めておいた。そうするならば、スザクが今のランペルージに対し抱いている印象も一緒に語らなければならない。
その方が良い、と云うだけで彼が納得するとは思えない。けれどいくら大人しさを身につけて、喋り口調も取り繕ったスザクでも、折角綺麗なんだから隠さない方が良い、とか。隠すなんてもったいない、今の方が可愛いよ、とか。
―――そんなこっ恥ずかしい台詞を、素面で云えるわけがなかった。





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