お兄様が、消えてしまったんです ナナリーは静かに哀しみを秘めた声で呟いた。 その異様なまでに落ち着いた様子に、スザクはきっとナナリーだけはその居場所を知らされているのだろうと、そう思って…… けれどナナリーの悲哀は、いつになっても癒える様子はなくむしろそのまま薄れゆくようであり そして漸く、彼のひとつひとつの言葉の意味と、そこに込められた想いを思い知るのだった そう君には、初めから何もかも事を成す決意も、その報復の覚悟もあったということだ だからと云って赦されるわけじゃないと、それでも思うのだけれど こんなときにいつも責めてくれるはずの、あの声が聞こえなくて、君と向かい合うことができない ああ、覚悟と云えば それに似たようなことをだれかが云っていた気がするんだけど あれは一体だれだったっけ―――? |
END.